どちらも田舎、閉鎖的環境で起こる物語であるけれども、この陰鬱な雰囲気は全く気が滅入る。とはいえ八つ墓村は、金田一という外部の人間や警察の存在があったりして救われるんだけど、楢山節考は完全に村の因習の中の話で、その無謬性といったらないし、結局最後までそれを口にするものは最後まで一人も出ず、終始鬱々としていた。
もちろん村の因習は、村の経済状況から導き出されたものであって(山間部の村は貧しく食料に乏しい。しかし生活のためには人手が必要であるけれども、生産性が低く、その村人全員が人間として生活をすることはできない。そのため、結婚できるのは長男のみ、長男以外は結婚はできず子供を作れない、老人はある年齢を超えると山に捨てられる、という人口の調整を目的とした因習が存在している)、極限とはそういうものだとして素通りすることもできるんだけど、私の(現代的)価値観からみれば、とても異常なことので、恐ろしい映画だわ…と思いながら見ていた。それにつけても、途中途中に挟まれるエビソードのそれぞれがとても強烈で(長男以外の童貞の話や捨てられるのを嫌がった父を殺す話)とても消化しきれそうない。
- 参考:おじろく、おばさ
しかし、楢山節考を見る直前にアニメ版美味しんぼを見ていたのだけれど、これはちょっと食い合わせが悪いですよ、みなさん。
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