日直地獄

小学校では事件が起きる

切腹

切腹するのに竹光はきつい。突いても内蔵には達せず、何度も何度も突く。竹がたわむのも構わず柄を地につけ体重をかける。そのうち、皮膚が破れ血が噴き出すが、横に引けない。どうやっても引けないので舌を噛み切る。その後介錯。
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切腹を迫られた理由は、腹を賭すつもりもないのに武士道を掲げ士官や金銭をせびろうとする行為が流行っていて、それに対する見せしめに選ばれたから。切腹を迫る家老の理屈は、理屈としてありがち。断れない事情を盾に金をせびられ続ければカウンターを決めるだろう。一方浪人は子供と妻が病気で金がなく医者にも連れて行けない。苦渋の選択として、見せ切腹を選択したという切迫した事情がある。個人的にはどちらにも理屈があり、それなりの正当性がある。問題は切腹を迫るという重大な処断を行う際の見聞が十分であったか、瑕疵はなかったか、という点に集約される。武士道と藩経営という価値が家老の判断の中間を排し、0か1かの判断を迫る。不正行為と適切な罰則、十分な見聞、これらの要素のバランスが壊れたときに邪悪さが生まれるんだなということを意識した。
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大変面白い映画だった。おすすめです。
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