日直地獄

小学校では事件が起きる

時速100キロメートルのポイ捨て

 電車に乗った私の前に座っている中国人ぽい男。その横に座ろうとした男性の肩が触れただけで異常な怒り方をしていた。この段階ではちょっとおかしな人、ぐらいの認識。電車が動き出し、そいつはオムライスを食べ始めた。オムライスか、車中で食うか?正直なところかなり迷惑。でも怒るほどでもないと思い静観。窓も開いていたのでにおいが充満しないようにしているのだろうと無理やり思い込む。奴食い終わる。ご飯粒は残してなかった。うむ、えらい…と無理矢理思った瞬間窓の外に投げ捨てやがった。あまりの予想外の展開に思わず声を上げてしまう僕。年に数回あるかないかのナチュラルリアクション。突っ込まざるをえない圧倒的なズラシ技、云々。
 こちらが衝撃の余波に翻弄されている間に奴は間髪入れず鮭弁当を食いだした。一体どれだけ食うのか。僕もだいぶ冷静になったのでいいかげんにしろと目線をくれてやりました。でもずっと食ってるからこっち見てない、俺意味なし。
 府中に到着も前に人が立ってしまい奴が見れない。鮭弁を食い終わった後なら見えなくて清々すると思うが、鮭弁が奴の手元にある今、カードは奴が握っておるのだ、奴から目が離せない。今どうしているのだろう?
 調布に到着、人が降りてゆく。弁当を確認しようとするも、箱は奴の手元にない。一体どこへ…。すると青いジャージの高校生が棚からビニール袋を下ろし、ゴミを奴のバッグに入れ、「自分で捨てろ」と奴に言って降りていった。グッジョブ。なぜか奴の顔が怒りに満ち満ちていた。理解不能。それから知らない言語を喋っていた。やはり中国人らしい。
 調布から明大前までは人が混んで奴を確認することは出来なかったが、見えなくなって少し気持ちが安らいだ。奴はゴミというカードをなくしてしまったのだから、もう暴挙に出られないのだ。
 新宿に到着する直前、僕の前が開けて奴がまた目に入ってきた、と思ったら、こっそりペットボトルを床に捨ててやがりました。そして顔がにやけていらっしゃる。もうたいがいにせいと思って「さっきもいわれたろーがおまえがすてろや」といってやりました。すると、何故か奴が怒っていました。理解不能。その後僕の左前に立っていたおにいさん(orおじさん)も彼に向かって注意してました。どうやら結局鮭弁を棚の上にもう一度放置していたようで。
 どうしようもない奴はホントにどうしようもないなあとつくづく思いました。終始ヘッドホンを外さないのも印象に残りました。


 春の陽気のせいに出来ない非常に残念な出来事でした。