部屋の大きな窓から光が差し込み目を覚ます。小さな枕には僕の頭と、蟻の頭部(と胸部と腹部)が揃って並んでいる。
僕はそのつややかな頭部をなでる。
…
思いの外外骨格はやわく、つぶれて死んでしまったので、在りし日の写真を掲げ私の最愛の蟻を追悼しようと思います。
喧嘩して、家を出て行った蟻を追いかけた日。そんなところに実家があったんだね。
何日も待ち続けたら、かわいい頭部をひょっこり出してこちらを伺う蟻。
食事中の蟻を撮ったらとても怒っていた。その怒ったしぐさもかわいい。
ああ、愛らしい蟻とももうお別れとなるととても寂しい。最近の蟻の巣コロリは強力だと聞いているから。