日直地獄

小学校では事件が起きる

ドラマ「チェルノブイリ」(全5話)を見た


題名からだいたい推測できる通りチェルノブイリ原発事故のドラマ。いくつか架空の人物が出てくるが*1、基本的には事実に基づく作品とされている。全5話見たが、相当な見ごたえだった。
Amazon.co.jp: チェルノブイリ(字幕版)を観る | Prime Video
スケジュールを見たところ、12月くらいまでAmazonPrime内のスターチャンネルEXで視聴できる。月額支払が必要だが、どうしても無料でしか駄目なんです…、という場合には、7日間の無料体験がある*2ので、申込み即、解約で無料視聴という手は無いこともないようだ。
それはそれとして…



このドラマで特に印象的なのは、恐ろしく非常に効果的に使われていガイガーカウンターの音でもなく、ショッキングな放射線障害の描写でもなく、最悪な組織の描写だった。

  • 安全性が重視されるべき組織における異常な権威勾配
  • 強い無謬性の要求(ソ連は常に正しい)
  • 正常性バイアス
  • 正しい情報の切り捨てと虚偽の報告
  • 安全性へのコスト軽視
  • これらを補強する実力部隊の存在(KGB)

考えうる限りの最悪さを突っ込んできているんだけど、「最悪だな!」と突き放せない居心地の悪さ感じる。それは、多分、原爆や東海村など放射線障害のことについて多少なりとも知っていて、残念ながら題材自体に馴染み深いということもあるし、現在進行系で福島の問題もあるからだろうと思う。事故が組織や政治の話であり、どうしたって現在の状況とリンクさせてしまうし、日本で上のような組織的な問題は無いの?と考えるとかなり暗い気持ちになる…。



俳優の演技や美術、演出、脚本など非常に完成度高いなと思うし、とても面白かった。面白かったのだが…という視聴感が残る。けどみんな見たほうが良いと思う。

*1:最後になぜ架空の人物を登場させたかという意図の解説もある

*2:このチャンネルを今まで一度も利用したことない場合に限りそう