星新一の書く宇宙を思い浮かべてください。何色ですか?僕はエメラルドグリーンのイメージが強いです。とりあえず漆黒の闇ではないはずだと思われます。私がもし星新一の宇宙に投げ出されても絶対に空間喪失症になんかならないです。鮮やかな宇宙と奇妙な宇宙人が救ってくれるはずだからです。
- 作者: 本秀康
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/11/30
- メディア: コミック
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そんな鮮やかで奇妙でかわいい宇宙を描き出せている漫画は今これしかないのではないかなと思う。下品なところはあるけれど、きっと宇宙も下品で埋め尽くされているはずなのでOK。
きのこ、切り株、石がしゃべり、宇宙人が現れ、空想のパンダと会話する世界にあって、極めて人間くさい菅菅彦の嘘の積み重ねと辻褄あわせの人生が(外から見れば)限りなくワイルド。その実ウェット。その二面をはらはらしながら見守るのが楽しい漫画。
- 作者: 田邊剛
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/11/26
- メディア: コミック
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影の扱い方がとてもいいと思った。蝋燭の揺らぎにより生まれる刻々と変化する影、障子にすける影、壁に伸びる影、顔に表れる影。揺らぎは人の動きをより強調し力強く映す。心の底が影に映し出される。影は知っている。