上の概要の通り、経済的な低迷などから過激な排外主義が台頭しつつあったイギリスで、人種差別撤廃に向けてロックを武器に戦った者たちのドキュメンタリー。
70年代後半のイギリスがここまでひどい状況だったというのは知らなかったし、どうやったって本邦の状況や、新型コロナで露見する世界的な差別状況とリンクせずに見られない。もう40年以上前の出来事だけど、時勢と一致している気がする。今見ておいたほうが良いドキュメンタリーだなと思った。
出てくる過去の映像はかなりひどい。極右政治家が平気でよそ者は国から出て行けと言っているし、排外主義者の暴力を素通ししてしまう警察の怠慢もひどい。時に命が奪われることもある。排外主義の流れは日本でも感じることはあるが、流石にここまで露骨にはできないはずで、まだ大丈夫だ…よなとは思う。でも、引き返せるうちに戻さないと、このときのイギリスのようにいずれ命のやり取りに発展するような、大きな代償を支払う必要が出てくるのではないかと感じる。ぼんやり過ごしていたら、いつのまにか加担させられてしまい、いつか私は貝になりたいと言わなければならない日が来てしまうのでは…というのが恐ろしくてたまらない。
The Clashはかっこよいですね。ていうか動いているジョー・ストラマー初めて見た気がする*1。
この映画は4月3日に公開されたが、新型コロナの影響で各館で上映が延期になる中、4月17日より各種動画配信サイトで公開された。AmazonPrimeVideoでも配信していて、48時間レンタルで1100円だった。映画一本見に行ったと思えばなんてことはない価格。