日直地獄

小学校では事件が起きる

子育てとインターネットとGoogleアカウント

20代前半の頃は、インターネットはインターネットに棲むためもので、そこに人格があった。オフラインの私とオンラインのアイデンティティが交錯することがあるとは思っていなかった。ましてや自分が結婚したり、子供が生まれる話にリアリティは微塵もないわけで。親との会話以外では、本名はほとんど呼ばれなかったし、邪魔なだけだった。インターネットでは主にはてなID(AirReader)で暮らし、便利なツール群としてGoogleアカウント(airreader@gmail.com)を使っていた。Googleアカウントには名前を設定する必要があり、同僚から野中空海という名前を頂戴した。当然偽名である。Googleアカウントの名前は非公開にできないので、オンラインネームである必要がある。

それから歳を重ね、不思議なことにライフステージが上がっていくと、書類などにメールアドレスを書く機会が増え、困ることが増えてくる(なぜならairreaderと書くのはちょっと恥ずかしいから…)。仕方が無いので本名のGoogleアカウントを取得して、それを書くようにした。しかし、すでにGoogleアカウントはメールボックスの役割だけではなくなっており、全面的なアカウント移行はすでに不可能になっていた。例えば、Googleフォト。写真が無制限にアップロードでき*1て歴史が詰まっているし、機能的にもちょっと代替は考えられない。

その結果として何が起きたか。家庭のデバイスに「野中空海」が露出してしまうことになった。例えば、Chromecast for Google TVの待機画面のスライドショーは、Googleフォトと連携しているため、Chromecastにはairreader@gmail.com を連携させる以外にない。なのでテレビの画面には「野中空海」という文字が輝いている。

子供の小学校入学祝いは、ランドセルとChromebookになった。Scratchをパソコンでやりたいとのことだったので応援したいと思ったのだった。小学生入りたてで、まだ情報の自分では取捨選択ができないんだよと伝えた上で、ブラウザには全面的な制限(ホワイトリスト方式)をかけることにした。Googleファミリーアカウント機能はこの辺りが柔軟にできて良い。ホワイトリストに追加したいリクエストを親に送り、親はスマホで承認できるなど、利便性も高い。子供のファーストパソコンとしては良い選択肢だったと思う。

ブラウザで権限の無いドメインを開くと、以下のように保護者にリクエストを送る画面が出てくる。便利ですね。保護者の名前はともかくとして…。
f:id:AirReader:20220307141602j:plain

この問題を解決するにはどうしたらいいか。本名用のGoogleアカウント下に子供のファミリーアカウントを新規登録する手もあるとは思うが、YouTube Musicの有料機能をファミリー化しようと思うと不便とか、課金周りで不利益を被る可能性もありそうなので躊躇する。

まあそのうち子供が気になってきたら、インターネットにあまり実名を書かないほうがいいという話を、お父さんも実践しているんだ、と説明したらいいかなと思っている。が、どうなることやら。

*1:今はできなくなったけど